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製品・技術

ラッピングキャリアについて

表面処理の重要性

半導体の製造過程においてウエハーの表面処理を均一に滑らかにすることはとても重要です。

半導体の材料となるシリコンインゴット。ダイヤモンドの次に硬く非常に加工が困難な材料です。その材料の表面に半導体を作り込むには単結晶インゴットから切断し、研磨(ラッピング)、研削などを経て最終的には無歪加工が実現できる化学的機械研磨すなわちCMP(Chemical Mechanical Polishing)によって原子レベルで平滑な表面に仕上げることが求められます。その研磨過程で重要な役割を持つのがラッピングキャリア。インゴットから切断された後の研磨作業になくてはならないものです。

ラップ加工とラッピングキャリア

シリコンウェハは、シリコンインゴットからスライスされ、その表面は研磨で平滑にされます。研磨作業で使用されるラッピングキャリアは、中心部にウエハを装着するための孔と、外周にラップ盤で回転させる為の歯車を有する形状となっています。孔にウエハーを装着し上下の定盤で挟み込み、回転させながらのウエハーのスライス面を平滑研磨するラッピングキャリアは、狭い隙間の中でウエハを支える必要があるため、強度が高く、精度の高い平坦度が要求されます。

ラッピングキャリアの課題

半導体製造において生産性を向上するために、ラップ盤の高速回転化が進められております。また、研磨過程においては、半導体の種類により複数の厚さに対応しなければなりません。強度への対応、反りへの対応そして、保管期間による寸法変動などへの対策など様々な点を事前検討する必要があります。SUS304は、入手性も良く金属製ラッピングキャリアに適した材料ですが、経年変化による反りなどの微量な変化が起こりますので要求精度によっては加工方法を慎重に選択する必要があります。